ショーケース
2010年11月

beautiful town (plenty of empty)
浅井真理子 (現代美術作家)

(C) ASAI MARIKO, EXHIBITION SPACE, 2010

(C) ASAI MARIKO, EXHIBITION SPACE, 2010
(C) ASAI MARIKO, EXHIBITION SPACE, 2010

東京国際フォーラム アートショップ内エキシビジョン・スペースにおいて、11/12より現代美術作家である浅井真理子氏の作品展示が行われており、このプロジェクトにLumixon arc Power Wash 336 CWが採用されました。

空間を均一に、しかも色温度が高い空間を作る必要があるという浅井氏の希望を受け、 45°ビーム各の336CWを合計6台採用し設置しました。スペース中央部分のハロゲンライトと混ざり合い、自然ながらも作品のコンセプトや存在を引き立てる重要な役目を担っています。

現代アートの視点からみた、人が楽になるために使う「薬」の現実と潜在的な問題、そしてそれらを飲んでいる人が住む「美しい町」との皮肉な交錯がコミカルにもシリアスに表現されている作品です。ぜひとも足をお運びください。

この展示は 2010年12月12日まで、以下の要領で行われています。

【 展示概要

期日:2010年11月12日〜12月12日
場所:東京国際フォーラム アートショップ内エキシビジョン・スペース
※会場での写真撮影はご遠慮ください。

【プロジェクト概要】

<使用機材>
Lumixon Arc Power Wash 336 CW (45°レンズ)
Versia LED-0408 DMXコントローラー

<ライティング> 秋濱 孝樹 (グラフィカ株式会社 )

 (C) ASAI MARIKO, EXHIBITION SPACE, 2010 


- 作品 ”beautiful town”(plenty of empty)について -

沢山の薬のパッケージでつくられた家がふわふわと風に揺れている。

今回制作する 'beautiful town (plenty of empty)' は、Charlottenborg Autumn Exhibition 2001(デンマーク)及び、第一回地中海現代美術ビエンナーレ・ハイファ2010(イスラエル)に於いてそれぞれの歴史的背景や立場で生きる人々に問いかけ、高い評価を得た作品です。浅井自身とその家族友人等、自身に関わる人々が実際に服用した薬品のパッケージを使って作られた「美しい街」。

薬品は人々を苦しみから救います。しかしその一方で人々を壊してゆく危険性もはらんでいます。

2001年にデンマークで制作をした際は、現地の人々に扇風機を借り受けた扇風機でそれを揺らしました。

そのコミカルにも見える、扇風機の風に揺れる 'beautiful town' はデンマークの街で滞在中に作家が感じた日本と似た感覚「物質的な豊かさの中の希薄な、でもそこに存在する不安や揺らぎ」を表現する作品となりました。

第一回地中海現代美術ビエンナーレ・ハイファに於ける展示ではハイファに住む人々が使用したセカンドハンドの鏡と自身が日常使っていた鏡を設置し、会場であるコンテナー内、観覧者が頭を覗かせる高床の上に設置された風に揺れる 'beautiful town' と観覧者をその鏡に同時に映り込ませました。また外からは小さな覗き穴からしか見えないような仕掛け、外側からの視線とその世界の中に入り込んだ視線。視点の違いによっての世界の見え方の違いを観覧者は体験しました。

厳しい歴史的背景、日本やデンマークとは全く違う意味での切実な「安全な居場所のなさ」を抱えたイスラエル社会の中で、この作品は多くの観覧者や美術関係者に大きな興味を持って受け入れられました。

今回のエキジビション・スペースでの展示は、その空間と東京都心と言う立地、社会的背景を考慮にいれ、また新たな展開を試みようとしています。 50m2余りの広い長方形の空間に作業台(ラワンランバーコア/2440×1230×1100mm)を12台設置。整列から少しずらした位置に配置する。

その間をプラスティック段ボール、床板等でつなぎ、段差や傾きのある台を制作し、その上に薬品パッケージの家を設置する。

会場入口、台の上部は覗き穴付きの壁で塞ぐ。今回も観覧者は外から覗き込む視点と世界の中に実際に入り込んだ視線、両方を経験する事ができる。

エアコンの風と、必要に応じて天井に設置する首降り型の扇風機で薬品パッケージの家を揺らす。

設置された作業台は、一般ののテーブル等よりも 40cm程高く、天板も大きい。観覧者は自分が少し小さくなってしまったように感じるかもしれない。

観覧者はテーブルの下をくぐるような(子供の頃のような)感覚で台の下を巡り、台の隙間から首をだして机上の世界に入り込む。

そこには、一見玩具のように楽しくかわいらしい「 beautiful town 」が揺れている。

今回の展示では作業台や、プラスティック段ボールを使用し空間を設営する事により、これ迄の表現よりも一段と、ユーモラスに『希薄さ』を強調した空間をつくりあげたいと思っている。現代の日本に生きる人々にそれがどのように問いかけられるか、発展と成果を期待します。

人々は楽になる為に薬を飲みます。それはとても簡単な回答のように思えます。しかし、一方で薬は私たちをこわしていきもします。

この美しく見える町は不安定で安心できません。

(浅井真理子)